浙江省寧波市鄞州区五郷鎮宝幢太白山麓の華頂峰下に位置する阿育王寺は、西晋武帝太康 3 年(西暦 282 年)に創建され、1,700 年以上の歴史を誇ります。南朝宋元嘉 2 年(425 年)と同 12 年(435 年)に 2 度の拡張が行われ、現在の寺院の規模が確立されました。梁普通 3 年(522 年)に「阿育王寺」の額が下賜され、正式に寺名が定まりました。
敷地面積 12 万 4,100 平方メートル、建築面積 2 万 3,400 平方メートルの阿育王寺は、南宋元嘉元年(424 年)に「禅宗五山十剎」の第二位に選ばれました。これは中国で唯一、インドの阿育王にちなんで名付けられた千年の古刹であり、寺内に鎮座する釈迦牟尼の霊骨と精巧な霊骨塔で世界的に知られています。唐代の鑑真和尚が日本へ東渡する際、一時ここに滞在しました。1984 年に国務院によって「全国漢族地区仏教重点寺院」に指定され、2006 年には全国重点文物保護単位に登録されました。